So-net無料ブログ作成

怪人二十面相・青銅の魔人 [ブック]




昭和の日本を震撼させた怪人の犯罪予告
「オヤクソクノモノ、ウケトリニユク、二〇」
明智探偵、小林少年
いかに対決するのか!

プレヴェール詩集の岩波文庫化にはびっくりしましたが、こちらはそれを上回る、まさかのアンビリーバボー
サド侯爵の岩波文庫化にも匹敵する「事件」でしょう

er20'.jpg
怪人二十面相・青銅の魔人 岩波文庫
明智小五郎と小林少年ら少年探偵団が怪人二十面相と対決、大活躍する乱歩の児童向け作品は、今なお子供たちを夢中にさせ、大人が読めば懐かしさと興趣を喚起させる。シリーズ第一作「怪人二十面相」と戦後の乱歩復活を告げた「青銅の魔人」を収録。

ああ、でも、待てよ
文庫分類番号が緑181-2ということは、えっ…

いや、お恥ずかしい
またまた情報パラボラ・アンテナの感度の鈍さを晒してしまいました
緑181-1、「江戸川乱歩短篇集」がすでに2008年に出ていたのですね
その中にはヘンタイ文学の極致ともいうべき「芋虫」もしっかり収録されていて…
岩波文庫もだいぶヘンタ…いや、ソフト化、多様化しているようです

で、なんと○十年ぶり、あまり期待せずに読んでみた(笑)感想ですが、意外と面白かった
以前の記事で、推理小説としては二流だなどと書いたことがありましたが、ここであっさり前言を撤回させていただきます
ただ、それでも、一つ気になったことがあって…
二十面相は物語のダーク・ヒーローですから、常人にはない異能を備えているのですが、それは「二十の全く違った顔を持っている」、つまり「変装術」ですよね
習得するまでに何年かかったのか不明ですが、この変幻自在性は「二十面相」の言わばレゾンデートル(存在理由)のようなもの
ところが、ライバルの明智小五郎も、探偵に恨みを持つ赤井寅三に化けたり、あるいは自分と瓜二つの男をダミーに採用したり
さらには、小林少年まで仏像に化けたりして、まんまと騙されたアングリー・ヤング・マン、二十面相は口あんぐりです
結局、物語中では「変装術」はすでに陳腐化しているようで…
二十面相は優位性を奪われ、物語の均衡(バランス)が崩れてしまっている気がします

こちらも再度掲載しておきます(結局、読みませんでしたが…)
ポプラ文庫クラシック版
er20p.jpg
少年探偵 怪人二十面相
少年探偵 少年探偵団

二十面相は、現代人とは正反対の美徳を身につけています
「この盗賊は、宝石だとか、美術品だとか、美しくて珍しくて、非常に高価な品物を盗むばかりで、現金にはあまり興味を持たないようですし、それに、人を傷つけたり殺したりする、残酷な振舞は、一度もしたことがありません。血が嫌いなのです。」

「二十面相」関連記事
怪人二十面相、あるいは迷宮の主
スニッフ&ザ・ティアーズ「ドライバーズ・シート」
少年探偵
乱歩奇譚

今日の1曲
「芋虫」=キャタピラということで、これです
The Caterpillar 「キャタピラー」/ The Cure 1984年
やっぱり、ヘンタ…いや、個性あふれる多様な価値観を持つ曲です
https://www.youtube.com/watch?v=nzxJ5YvYfx4
tctc'.jpg
The Caterpillar

岩波文庫化で驚きそうなのは、あとは澁澤龍彦くらいかな?
ぜひともお願いいたします

p.s.
なお、岩波文庫版第2弾「少年探偵団・超人ニコラ」は、10/17発売予定です


コメント(4) 
共通テーマ:音楽